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話題のクルマ
【アサーン オクタゴンとF59PH】

HOスケール
image : Photo Depot
先に述べた2008の踏み切り事故とは,踏み切りで自殺志願のRV車をキャブカー先頭の2本のオクタゴン列車が挟み撃ちにし,双方の列車と傍らに駐車していたまっさらの新車だったUPのSD70が横倒し, 11名が帰らぬ人となりました. 原因となったRV車のドライバーは退避して生存していたことから全米で話題となり,車両の安全面で手抜かりがあったと鉄道が告訴される雲行きとなりました. 事故そのものは双方の列車とも時速110キロ程で,犠牲者が11名は奇跡に近いですが,鉄道事故で乗客に死者がでるのはけしからんというのが彼の地の乗客のスタンスです.
裁判沙汰になったら勝ち目が無いと,メトロリンクとアメリカ運輸省はすぐにアクションを起こし,役目を終えたメトロノースのM1形電車とアムトラックのF40PH形ディーゼル機関車を衝突させ,先頭部が7メートルほど後退した電車の変形を1メートル程度に抑えると言う目標が設定されました. 実験を重ねて1年ほどで設計ができ上がり,普通ならそこで入札となってメーカー各社が争うわけですが,オフセット衝突でも居住空間を変形させないため前頭部が鋼体の内側に(レールのような)ガイドに沿って後退する特殊な構造で,手を上げたメーカーは韓国のロテムだけでした. その時のメトロリンクのボスのコメント,『一番望んでないメーカー(アメリカでの実績が少なかった)しか手を上げなかったが,約束事だからオーダーを出すことにした・・・』という独り言ともとれるコメントが忘れられません.
大変な仕事をとってしまったロテム,世界から人材を集めて大忙しです. しかしそれから2年ほどでプラン通りの車両を完成させ,コロラドのテスト線での過酷な試験にもパスしました. これには業界各社ともビックリ,同時にロテムの名が世界に知られることとなり,フロリダほかオクタゴンが走っていたいくつかの鉄道が導入を決定しました.
前置きが長くなりましたが,上の写真はロテムの新車にならって塗色を変更したオクタゴンです.

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